︎移動型パーティ「PLAY」
第一回目テーマ「住まい」

▶第二回目 ▶第三回目 ▶第四回目 ▶第五回目
地方で生きることの中にあるクリエイティビティとは何かを、ちょっと真剣に考えてみるという移動型パーティ「PLAY」。 第一回目は、生きることの基盤となる “ 住まい ”をテーマに語り合うものだった。会場は京都唯一の村、南山城村にある廃校となった小学校の講堂。 一般的にトークイベントが行なわれるようないわゆるホールとは違う空気感の場所、というのも興味深かった。




トークゲストには、お隣の東吉野村に移住してシェアオフィスを開いているという坂本大祐氏。 現在、デザイン関係の仕事をしながら、東吉野村で「OFFICE CAMP HIGASHIYOSHINO」を運営し、地元の人たちやクリエイターたちとタグを組み、各種イベントなど、自然と一体化したここでしかできない取り組みを試みている。この坂本氏を中心に、それぞれにさまざまな目的で南山城村に移住してきた村人たちがスピーカーとなってトークセッションが繰り広げられた。



スピーカーたちの年齢層も幅広く、たとえば廃校となった小学校にあるカフェのオーナー、 木工や陶芸のデザイナー、農業を営む人など、職もそれぞれにジャンルが違っていて面白かった。 中でも意外な印象だったのが小学校の中にあるカフェのオーナーさん。 「ねこぱん」というお店なのだが、最初、ネーミングもお店の雰囲気も、客層からしても、 てっきり都会からやってきたイマドキの若い女子がきりもりしているのかと思ったら、 オーナーは人生経験も豊富な徳島出身の男性だった。 この店には、数年前から国内のみならず、アジア諸国の観光客がカメラをぶら下げて大勢やってくるという。 こんなに山奥で、利便性も決してよくない場所を探しあてて多くの人がやってくるのがすごいなと思った。 それもネットやSNSの普及に伴ってのことだと思うが、それに甘んじずつねに飽きられない店づくりにあれこれ試行錯誤を繰り返し力を注いでいるという。



ほかのスピーカーたちも同様だ。ここ南山城村でどんなふうに生き、 暮らしていくかというのは、都会での生活よりももっと緊張感を要するだろうし、覚悟だっている。 楽しいこと、新鮮なことはあっても、田舎での暮らしはそれだけでは済まない。 だから、私個人としては近頃の20代の若い世代が田舎暮らしに憧れるといのは、なんとなく信憑性がないように思っていた。 ところが、実際に田舎暮らしをし、都会からの訪問者たちを日々迎え入れている彼らにすれば、そういう印象ばかりでもないようだった。 いまの若い世代の都会人は 、“ 田舎 ” での暮らしをリアルに体験したい、 ある意味その身体感覚を取り戻したいという発想が強くあるようなのだ。 田舎での暮らしぶりにまったく免疫のない子たちが多いだけに、その感覚も世代とともに変化しているのだ。 東吉野でシェアオフィスを運営する坂本氏の言葉もなるほど、と思った。 「都会にいれば考えることだけはできる。でも、考えれば考えるほど人間は行動を起こさなくなる。」 都会は選択肢も多いし、多種多様な情報であふれかえっていることが便利なようでかえってマイナスになってしまうこともある。 田舎はシンプルなのだ。何かやりたいなら、やるしかない。 今回、このトークショーに参加してみて、“ いろいろな田舎 ” が存在するのだと思った。 近頃、村おこしや都会から地方に移住して田舎暮らしを推奨する自治体も多い。 私は南山城村に住んでいるわけではないから内情までをリアルに語ることはできないが、少なくとも、ここには生きることそのものに創作的であり、田舎での暮らしに対して決して偏った見方をしていないこと、そして、不便な中にこそ滲み出てくる魅力的な何かを見据える人々が意識を高く持って住んでいる、ということが伺えた。それは、24色のクレヨンの色をそのまま使うのではなくて、6色のクレヨンで個性的な色合いを工夫して創り出す感覚と似ている気がした。




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*BEFORE EVENT
 当日はトークショーの前に南山城村のハウジングツアーとして、移住者を受け入れる空き家の見学会もあった。藁葺き屋根の大きな農家で、離れや庭(小さな池まで!)と工場付きの物件や、二階建の昭和な風情漂う一軒家を見せてもらった。車がないと生活がしづらいし、山が迫っていてこれからの寒い季節には厳しい生活が待っていることは間違いないだろうけれど、1ヶ月10万円にも満たないお家賃の安さには、正直心惹かれた。



*AFTER EVENT
 トークのあとはダンスミュージックで小学校の講堂はキラキラした時間が降りてきた。音楽とダンスを披露してくれるアーティストは、いつも素敵なテクノサウンドを届けてくれるAPOTHEKE(アポテケ)。ドイツでデビューを果たし、ここ南山城村を拠点に全国津々浦々ライブ活動を展開している。(いつか彼らのことも詳しく触れてみたいと思っています★)




毎回テーマごとにトークショーを行ない、トークのあとはライブを楽しむ、
というのがこの「PLAY」のスタイル。
第二回目は12月17日に三重県島ヶ原で実施。この模様もまたルポとしてお届けします。 これから毎月春まで実施されますので、興味のある方はこちらを。。。。
*詳細はFACEBOOKにて随時更新中!facebook.com/letusplay163