たーまん世界を歩く

ただただ忙しく過ぎていく社会人生活に、漠然とした焦燥感を覚え、昨年秋に一念発起して退職しました。
そして半年間、寝る間を惜しんでリゾートホテルの住み込みバイトで貯金し、2019年6月1日、関空から出発。
目的は、これまでの人生で知らなかったことを見聞きすること。世界見聞家・たーまんの誕生です!
カタコトの英語と予算約100万円での旅はYouTubeでも配信中ですが、映像に入れられなかったことを
こちらのブログで紹介していきます。たーまんの珍道中、応援よろしくお願いします!

Vol.43

日本③

【門外不出!!“ぬるっと”空港突破のイロハ!!!!】

日本を再出発した僕は途中ロシアで乗り換え、スペインへと向かう旅路を進んでいる。

移動方法はもちろん飛行機だが、その際に避けて通れないものがある。
そう、出入国審査と荷物チェックだ!

僕は前述した通り、バスソルトを薬物と疑われて飛行機を乗り過ごしたり、付着していた泥を理由に靴を没収されたり、往復のチケットを持っていない為にその場で購入させられたりと、とにかく空港での審査で目を付けられがちだった。

だがしかし!
そんな失敗を経て、この時期から僕の空港スキルはかなり高まってきていた!!

今回はそんなスキルの一端をご紹介したい。

まず、僕が普段持っている荷物は大きな登山用リュックと小さなナップサックだ。
航空会社によるけれど、機内に持ち込める荷物は基本1個10kg程度で、サイズにも規定がある。
登山用リュックはサイズ的にも重量的にも機内には持ち込めない。

けれども、僕は到着後あのベルトコンベアみたいな場所で預け荷物が流れてくるのを待つのが嫌いだし、全財産が入ってるリュックが別の場所に紛れるのも怖いのでどうにか手荷物として機内に持ち込んでいる。
(荷物を預けるのに必要な数千円をケチっているという噂もあるが、無視して欲しい)

その為には、常にこちらから明るく話しかける愛想の良さと“空港にこなれている感”を醸し出す演技力が必須である!
空港職員たちは基本的に文句を言われたり面倒がられたりしているので、愛想の良い人間には優しいのだ!

空港に到着後、最初に訪れる関門はチェックイン。
基本的にはここで預け荷物を渡し、航空会社によっては対象の手荷物に紙のベルトみたいなのをくれる。
これは職員が持ち込みオーケーと判断した荷物の証だ!

チェックイン時、僕は登山用リュックをベンチ等にチェーンでくくって置いておき、ナップサックのみを持ってカウンターへと向かう。これでチェックインは完了だ。
ナップサックに紙のベルトを貰った場合は、綺麗に剥がして登山用リュックに付け直せば良い。
(治安が悪いor空港のルールが厳しい地域はリュックを背負って何食わぬ顔でカウンターに並ぶ。
リュックについて聞かれたら「友人のを今持ってるだけ。トイレが長いんだよ。」と笑っておけばスルーしてくれる。)

もし専用の機械でセルフチェックインができる場合、荷物の量は自己申告制なので「預け荷物なし」を選択して普通にチケットを発券!
チェックインカウンターが開くより前にチェックインできるので、セルフチェックインできる場所では早めにラウンジに入れてお得だ。

チェックインの次に待つ出国ゲートが第二の関門だ。
ここでも明らかに僕の荷物は大きいし二つあるのだが、何故かどの国でも止められたことはない。
やはり“こなれている感”を全身で醸し出すことが大切なのだろう。

第三の関門は荷物検査。
この関門こそ最も大きな関門だ。
特に僕のように生活必需品の全てを持ち歩くような奴は珍しいのか、発展途上国では興味本位で見せてくれと言ってくる職員も多い。

この関門では荷物のサイズについてはまず問われないが、中身についてめちゃくちゃ問われる。

過去にはテント型の蚊帳に使うペグを没収されかけたり(「この棒じゃテロは起こせないよ」と笑っていたらスルーしてくれた。)、中国では携帯充電器が没収されかけた。
中国は荷物チェックが厳しいことで有名で、僕の持っていた大きい充電器は規定外だったが、絶対必要なものだったのでゴネていたら特別な検査をされて持ち込めた。

失敗談としては粉末の洗剤を取り上げられ、説明している最中に「NO」と言われて捨てられたこと等がある。
とにかくここでは焦って交渉しようとしてはいけないのだ。
中国の時も「いつもは通っているのにおかしい」とゴネた。

ぬるっとチェックを通る為、まず向こうがお願いしている財布や電子機器をトレーに移す作業は即座に行う。
文句の付けようがない“こなれ感”を演出する為だ。

でも大体は普通にリュックの中身が怪しいのか珍しいのかX線で詳しく見られる。
止められた時は愛想良く対応する。

余談だが、海外では少量サイズのシャンプーを売っていることがまずないので通常サイズのものを買うしかない。
しかし機内に液体物は持ち込めないので、現地で余ったまま捨ててしまうことが多かった…もったいないので途中からこれを囮として使い始めた。

X線の担当と荷物チェック担当は基本分かれているから、止められてもチェック担当が何を探すべきなのか分かっていなかったりするので、その場でシャンプーを捨てて他はスルーされたりする。

だが、スキルを極めると何故かシャンプーすらスルーされるようになった。
途中から分かりづらいように工夫はしていたけど最早おかしい。
なのに前後の人がペットボトル捨てられたりしてると、もしや自分は政府の重要人物なの?と世界を疑い始める。

忘れてサイドポケットにそのまま突っ込んでいたのにスルーされた時はX線の故障を疑った。
そろそろ“こなれ感”じゃ説明できない。

荷物検査が終わると飛行機への搭乗時にチケットをチェックするスタッフ、という第四の関門が待ち受けているが、ここもぬるっと通れば問題ない。
(とはいえ一度だけ止められたことがある。この時はリュックを預け荷物に回されたが、ぬるっと料金は払わずに済んだ。)

第四の関門を突破し、飛行機に乗ってしまいさえすればもう荷物の心配はないはずだ!
たまに僕のリュックが荷物入れのスペースを占めていることもあるが、まぁ、それは大目に見て欲しい。

最後の最後に入国審査が待ち受けているが、ここも愛想良くしておけばみんな笑顔だ。
朝早かったり夜遅いと「ハードな仕事だね、ありがとう」みたいなことを言っておけば良いし、基本「◯◯に行くのが楽しみなんだ」とか「どこかおすすめの場所は?」とか言っとけば嘘みたいににこやかに話してくれる。
何故か僕のビザだけ30日長かったこともある。

とにかく何が言いたいかと言うと、国から国へ移動する時にはちゃんとルールに則った方が良い。
ということと、どんな国でも愛想の良い奴にはみんな優しくしてくれるということだ。

違法なものはもちろん禁止だが、とはいえちょっとごまかしながら国を渡りたいというそこの君!
君に必要なのは空港内をぬるっと行動し、全身から醸し出す“こなれ感”だ!!

つづく