たーまん世界を歩く

ただただ忙しく過ぎていく社会人生活に、漠然とした焦燥感を覚え、昨年秋に一念発起して退職しました。
そして半年間、寝る間を惜しんでリゾートホテルの住み込みバイトで貯金し、2019年6月1日、関空から出発。
目的は、これまでの人生で知らなかったことを見聞きすること。世界見聞家・たーまんの誕生です!
カタコトの英語と予算約100万円での旅はYouTubeでも配信中ですが、映像に入れられなかったことを
こちらのブログで紹介していきます。たーまんの珍道中、応援よろしくお願いします!

Vol.112

エジプト 後編

【エジプト人!!めちゃくちゃ良い人たち!!!!】

前回から引き続きエジプトに滞在中。

今回はエジプトの代名詞ともいえる観光名所「ピラミッド」にやってきた!!!

たーまん(これがピラミッドかぁ〜!)

なんて思っていると

「ヘイ!兄ちゃん1人で何してんだよ!!」

どこからともなくエジプト人登場!

1人旅でこういう声のかけられ方怖いんだよなぁーーー

「違う!!もっと右!!違う!!そうそうそう!!」

えぇ…なんか知らんけどめちゃくちゃ写真撮ってくれる…

えぇ……なにこれ…
スマホ渡すのすらためらったけど、なんかノリノリで写真撮ってくれてる…

なんだろこれ…
チップ要求されんのかな…

「良い写真が撮れたな、じゃ!」

エジプト人は去っていった。

え、ただの良い人ってこと!?
エジプト相変わらず底知れねぇ…

本当はもっとキツい写真をいっぱい撮ってくれたのだけど、載せるのはこの2枚だけで勘弁してほしい。

そんな写真撮影も終わり、入場料を払っていざピラミッドへ!!!

分かってたことだけど、やはりデカい!!!
この巨大な石を人力で運んで正確に積み上げたって…改めてとてつもない作業だな…

遥か昔に想いを馳せ、ピラミッドを味わったところでさて出ようかとすると…
すごい勢いで客引きに声をかけられる!!

ついに出たか!!
しつこ過ぎるという噂の「世界一ウザい客引き」!!

お兄さん「ガイドしてやるって!」
たーまん「いや充分見たし、もういいって!」

お兄さん「お前はピラミッドの秘密を知りたくないのか!?」
たーまん「いやそれは知りたいけど金がないのよ!入場料が高すぎるのよ!」

お兄さん「しょうがねえなあ!!タダで良いよ!!」
たーまん「えええ!!?」

そんなパターンもあるの!?

お兄さん「俺が説明してやるよ!!お前はめちゃくちゃラッキーボーイだぜ!!」
たーまん「いや頼んではないけど…ありがとう…」

お兄さん「聞かせてやる!!付いてこい!!」
たーまん「………」

あ、そういうベクトルのウザさってこと!?

お兄さんはピラミッド周辺にある遺跡に連れて行ってくれるとのこと。
ガイドしてくれるのはありがたいので付いていくものの…

勢いがすご過ぎて説明が全く聞き取れんのよ!!!!

専門用語も多いし早口過ぎるし!!相手は見るからに英語圏の人じゃないでしょ!!
タダで連れてきてもらってるし文句言えんけどね!!

結局名前すら聞き取れなかったこちらのお兄さんは確かに色々なところに案内してくれたのだけれど、最後に行った入り口が険しいこの場所は…

たーまん「え、ここ入っていいの?」
お兄さん「お前はラッキーボーイだ」

明らかに墓っぽいけど入っちゃダメな所じゃないよね!?
あとなんでそんなに気に入ってくれてるの!?

犯罪の共犯者にされていないか心配だったが、最後にラクダに乗せてもらいピラミッド周辺を巡ったのはとてつもなく気持ちが良かった。

名も知らぬお兄さん、ありがとう。
やっぱり申し訳なくて、帰り際に格安のガイド代をお支払いしたのであった。

前編で登場した方々や写真にガイド…やっぱりエジプト人、めちゃくちゃ良い人たちなんじゃないか…?
なんて思いながら近隣の「メンフィス博物館」へも足を伸ばす。

写真を撮っていると警備をしている警察の方が…

警察①「ヘイ、俺らの写真撮って良いぜ」
たーまん「え、ありがとうございます」

警察①「チップよこしな」

お前が一番言っちゃダメだろ!!!!
エジプトの好感度いきなり急落したわどうしてくれんだ!!!!

警察②「おい!」

でも左にいた優しそうな警察のお兄さんが静止してくれたので、好感度はなんとか回復したのであった。
全員が全員、良い人ってわけでもないらしい。

警察官のせいでちょっとばかり疑心暗鬼になりつつ、ピラミッドのあるギザ西部から離れた僕は、宿をとっている首都カイロに戻ることに。
気持ちを切り替えてカイロで行きつけのご飯屋さんにてご飯を食べていると…

たーまん「………」

隣の席のおっちゃんにすごい見られる…
アジア人だから珍しいんだろうけど…とにかくすごい見られる…

おっちゃん「………」

しかもめっちゃ真顔…
なに…なんなの…
怖すぎる…そっち側もう絶対に振り向けないじゃん…
確実に目が合うじゃん…

勇気出して声かけるか…と、振り返ると

めちゃくちゃデッサンされてる!!!!

こんなことある!?
なにがあなたのデッサン欲を駆り立てちゃったの!?

英語を喋れないおっちゃんは笑顔で何かを説明してくれてたけどごめん!
何も意味分からんかった!!!
とはいえなんとなく、疑心暗鬼は治ったわありがとう!!!

しばらくおっちゃんのデッサンに付き合った後、僕は5泊6日のツアーに参加すべくカイロ駅に移動した。
12時間という長過ぎる時間を夜中に寝台列車で移動して、遺跡のある街に向かうらしい。
寝台列車楽しみ!寝てたら着くじゃん!

…と思っていたのだけど、案内されたのは普通席。(寝台とは…?)

思ってた寝台列車と違うけど…とはいえ椅子はフカフカやし…大丈夫かな。
リクライニングは…しないのね、なるほど。キツイな。

このタイプの椅子、日本人の常識でリクライニングすると思っちゃった。
まぁ、関係ないよね、うん。

あと…かなりの長距離移動をするのに扉がものすごいペラペラなことも気になるけど…

まぁ、大丈夫よね、うん。
この電車にこれから12時間揺られるという未来に若干の不安を感じつつ、電車は発車。

夜が深まるに連れ、どんどん気温が下がる!めちゃくちゃ寒い!
ダウンも出して寝袋まで出したが、それでも寒い!!

ドアの隙間とか床の隙間から極寒の隙間風が入り込んでくる!!

「やっぱり夜の砂漠は冷えるのか!!」
なんて思っていた最初のうちが幸せに感じるほど、最悪の夜を過ごすことになった。
世界旅の間、最もハードだった移動はこの時の電車であると言って過言ではない。

椅子が硬いので座席の下で寝転んでみるものの、衝撃がものすごいし、
隙間風に関しては強過ぎてもう普通に風!!!寒い!!!

しかも時折バァン!!とものすごい音がして石(?)が車体にぶつかる!!
どんな所走ってんの!?

と思いつつ、ほとんど眠れないまま朝を迎えた。
座席の下から起き上がると…

いや窓ガラスひび入ってる!!!!

この電車怖すぎるわ!!!!!
割れてたら死んでたよ!!!!

とはいえツアー自体は参加した別の家族と共に、無事に楽しく過ごすことができた。
(彼らはちゃんと“寝台”の列車に乗ったらしい)

アブシンベル神殿や王家の墓、砂漠の朝焼け、そして何よりしょぼ過ぎるツアーの食事など、今も心に残り続ける景色ばかりだ。

そんな楽しいツアーの時間も束の間。
例の寝台列車でカイロに戻る日となった。
翌朝カイロに到着したら、次の街であるダハブに向かうバスに乗り込む予定だ。

そんな帰りの電車がカイロに着いたのは…なんと深夜1時。

たーまん(マジか!!早過ぎるやろ!!!)

駅員さん「おい、駅閉めるからもう出てくれ」
たーまん「待ってくれ、宿もないんだ。頼むから駅の中で寝かせて欲しい。」

駅員さん「申し訳ないが出てくれないと俺が帰れない」

こうして僕は深夜のカイロを1人彷徨うことに。
怖過ぎる!!!!!

観光客が多い発展途上国の首都で夜中にひとりぼっち。
カイロは治安も悪いし、マジでなにが起きても不思議じゃない。
スマホの充電も切れている…というか怖過ぎてスマホ取り出せない。
首都のはずなのに街頭も全然ない!!!

これからどうする…できる限り駅の近くで野宿するか…

悩んで止まっている時間が怖かった僕は、記憶を頼りに進み始めることにした!

たーまん(道合っててくれ!!頼む!!誰も俺を襲わないでくれ!!!!)

祈りながら目指すのはあの場所!!!

ずっと泊まってた宿!!フリーダムホステル!!!!

無事に辿り着いた時は涙が出そうだった…
深夜1時に誰かいるのだろうか…と思いながら、ドアを叩いてみる!!

たーまん「誰かいたら開けてくれー!!!今日泊めてくれー!!!」

ノラ「タカ!?ダハブに行ったんじゃないの!?」

たーまん「ノラ!いてくれたか!!」

たまたま泊まっている間に仲良くなった宿のスタッフである「ノラ」が近くにいて、扉を開けてくれた。

ノラ「今日は満室だから、寝る場所はソファだよ。あと内緒だから、朝は早めに帰ってね」

たーまん「ありがとうノラ!!!この恩は一生忘れない!!」

「ノラ」に助けられた僕は翌朝早くに宿を出発した。
この時ノラがドアの近くにいなければ、僕は無事にエジプトを出国できていたのだろうか…
恐ろし過ぎる…
ノラ、本当にありがとう!

宿を出た後にも、たまたま道を歩いていたエジプト人に助けられた。

マネキンである必要性を疑う斬新かつ効率的なズボンの展示方法に目がいってしまうが、助けてくれたのは隣を歩く男性だ。

彼はダハブ行きのバスチケットの買い方が分からない僕のため、時間をかけてチケットの購入場所まで案内してくれて、値引きの交渉までしてくれて、ATMで多額の現金を引き出す僕の後ろをずっと見張ってくれていた。

 ※最後には友人まで紹介してくれた。紫パーカーの彼は左側だ。

沢山の人に助けてもらいながら、僕は無事に次の目的地であるダハブへと出発できたのであった。

ダイビングの名所として有名なダハブに着いた後、僕はダイビングライセンスを取るべく約1ヶ月ほどの時間をかの街で過ごした。
そしてその間にも沢山のエジプト人に助けてもらった。

エジプトを思い返す時、脳裏に浮かぶのは沢山の遺跡ではなく、その近くで過ごす人々の優しさだ。
観光客の多いあの国で、外国人相手にここまで優しい国というのも珍しいのではなかろうか!

独創的で他人に優しく、明るいエジプト人たち。
特殊で重厚なエジプトの歴史と文化が支えられているのは、そんなことを全く気にしないエジプト人の性格のおかげなのかもしれない。

つづく