奈良、京都、三重をつなぐR163号線のさまざまなポイントで開催されてきた移動型イベント『PLAY』が始まったのは、2016年秋。田舎暮らしを考えるトークを中心に、ワークショップやライブなど、さまざまな切り口で実施されてきた。そんな『PLAY』も、2017年11月26日に二巡目を開催。これまでとはさらに趣向を変え、見聞きするだけでなく、分かち合うスタイルへと変化していった。
静かな島ヶ原の駅。集合は朝10時。11月の終わりにしてはよく晴れて暖かく、村歩きが快適な1日となった。
二巡目の会場となったのは三重県・島ヶ原。PLAYではすっかりお馴染みとなった村だ。朝駅前で集合し、まずは軽く参加メンバーの紹介を済ませ、今日1日のコースや内容について説明を受けた。今回は駅を起点に村の集会場や製材所など村のいろいろな施設を巡りながら、移住者も含め数人の村人たちの元へ出向いて交流を図り、村の作物を使ったお料理をいただく。これまでよりも一層間近に田舎暮らしというものを感じることができたのではないだろうか。何十年という年月を島ヶ原で暮らしてきた年長者たちに村の歴史やその時代の移り変わりについて教わったり、村外の学生やコミュ二ティデザインのプロとのコラボによってつくられた施設を訪ねたり、移住してきた陶芸作家によるアートに触れてみたりもした。
スタートは村の集会場のような場所へ。長年村で生きてきた二人のおばあちゃんに貴重な “ 女の人生 ” のお話を聞く!
さまざまな人々の、思い思いの生活や生きざまを見せていただいた短時間の村旅行。さらに、最後はイベント参加者でこの日に感じたことを思い思いのフレーズで表現するプレゼンテーションの時間も設けられた。そんなかたちで参加した人たちと交流を図ったのも初の試みだった。キンと澄んだ田舎の空気に乗って流れ来る材木や焚き火の香り。無人駅の向こうには紅く色づき始めた木々や、のどかな山の風景がひろがっている。余計な人の手が加わっていないこの島ヶ原という村は、とても不思議で魅力的な土地だ。都心部から遠く離れていながら、田舎特有の時間がゆるやかに流れながらも、何かに向かおうとしている村人たちの息づかいや足音が、微かだけれど聞こえてくるのだった。
廃材でつくられたいろいろな遊空間が並ぶ穂積製材所。どこか違う次元につながっていそうな不思議なデザイン。
お料理に腕をふるってくださった「夢の道」おかみさんの澄子さん。
この日いただいた「夢の道」のお食事。身体によさげで美味しかった・・・。
大阪から移住してこられら陶芸作家の田中元将さんと飯田万綾さん(右側)。島ヶ原は作品づくりにも暮らしにも馴染む土地のようだった。
機能的で味わい深い風情の田中さんの作品。特有の色艶が魅力的だ!
最後はみんなで今日体験したことをそれぞれのフレーズに託してプレゼンテーション!
夕暮れ時の村の景色。夕食の支度の音や匂いが漂ってきた。